年会報告

2015年度年会報告

2015年9月12日(土)お茶の水女子大学にて2015年度老舎研究会年会を開催しました。今年度は久々に東京での開催となりました。

ⅰ.開会の辞に代えて 倉橋幸彦「老舎関連文献目録」店じまい報告
ⅱ.学会報告
1.倉橋幸彦:「老舎作品再版本の“最”」
老舎の全作品について《書名》1「全集/文集/選集/精品/精選/作品/名篇/名作(集)/代表作/経典」2「小説/話劇/劇本/曲芸/散文/小品/幽黙/児童」3作品名、《出版年》、《出版社》の3つのカテゴリーに分類した資料を提示され、今後の研究についての抱負を語られました。

2.布施直子:「日本における老舎『四世同堂』の翻訳出版状況」
『四世同堂』の翻訳本は1950年社団法人日本中国研究所から「所内資料」として初めて翻訳され、1951年〜1952年に月曜書房から鈴木択郎、桑島信一、實藤恵秀、魚返善雄の4人の訳者により全5冊本として出版された。その後、1953年12月〜1958年10月に角川文庫版全5冊と1954年3月〜4月に河出書房版全3冊が出版され、1982年10月〜1983年4月に学習研究社版全3冊が出版された。
それぞれの翻訳状況について詳細に紹介され、現物も見せていただきました。

3.大山 潔:「『駱駝祥子』の結末についてー戯曲『駱駝祥子』の改編を中心に」
小説『駱駝祥子』が誕生して80年。祥子の運命は中国の近現代史の節目で変貌している。『駱駝祥子』は老舎が1949年12月にアメリカから帰国後、1951年7月、8月、1955年1月の3度に渡って結末の改変を行ったが、その改変状況および改変理由について検討し、また梅阡の戯曲『駱駝祥子』の改変についても考察した。
大山会員は2015年3月に東方書店より『戯曲 駱駝祥子 全5幕6場(MP3CD付き)』を出版されました。

今回は東京での開催であったため、数年ぶりに中山時子先生も参加され、近況をお話くださいました。

2014年度年会報告

2014年9月6日(土)大阪産業大学梅田サテライト教室において、
2014年度老舎研究会年会を開催しました。

1. 前座:倉橋幸彦「“一本釣り”への固執ー「老舎関連文献目録」をめぐる苦衷と愉しみ
倉橋会長が毎年『老舎研究会会報』に掲載されている「老舎関係文献目録(略目)」について、その作成方法や苦労話を語り、今後の展開として学老舎/読老舎/看老舎/評老舎/談老舎という5つの側面から見直し、『あの人もこの人も みんな「老舎」を語った』というタイトルで再編集を考えているとのこと。また老舎が1965年春に文学代表団団長として来日した際の「老舎日本滞在記」を記すのは日本人としてやらなければならないと語られました。

2. 学会報告:布施直子「ロシアと重慶の老舎学会に参加して」
布施会員が参加された2つのシンポジウムに関する報告。
一つ目は、2014年6月25日〜29日にロシアのサンクトペテルブルクで開催された”ISSES OF FAR EASTERN LITERATURES” dedicated to the 115th anniversary of Lao Sheで、6つの分科会のPanel 1が「老舎」の”Lao She and his contribution to Chinese literature”という分科会で、47名の参加者があったとのこと。
二つ目は、平松会員と共に参加された2014年7月25日〜27日に重慶北碚市で開催された「纪念《四世同堂》问世七十周年学术研讨会」で、こちらには老舎の子供(舒乙、舒济、舒雨)、孫3人、ひ孫1人も参加されていた。このシンポジウムのために新たに《四世同堂》(北碚版)が限定出版され、現物をお持ちいただきました(詳細は『老舎研究会会報 第28号』に掲載)。

本会恒例のおやつの「いか焼き」を食べた後は、倉橋会長の老舎に関する秘蔵本を見せていただきました。数十年かけて集めた小説の初版本やサイン入りのもの、手紙などがあり、入手にまつわる裏話も聞かせていただきました。

2013年度年会報告

2013年9月8日(土)大阪産業大学梅田サテライト教室において、
2013年度老舎研究会年会を開催しました。

1.座談:老舎研究会30年をかえりみすれば
平松圭子・杉本達夫・日下恒夫   進行役:倉橋幸彦

老舎研究会は1984年3月17日、名古屋大学文学部で成立総会ならびに第一回研究発表会が開催されました。会の成立から今日に至るまでの様々なお話をお聞きすることができました。

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2.お宝探偵団:老舎著作及び資料  案内人:倉橋幸彦

倉橋会長のお宝が一同に!

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3.ビデオ鑑賞:「老舎五則」    案内人:石井康一

老舎の生誕111年を記念して、北京人民芸術院の演出家である林兆華は、「柳家大院」「也是三角」「断魂槍」「上任」「兔」の5つの短編を老舎作品現代劇『老舎五則』として上演しました。石井会員の説明のあと、そのDVDを鑑賞しました。

4.会長近況報告:「老舎雑談」

2012年度年会報告

2012年9月1日(土)大阪産業大学梅田サテライト教室において、
2012年度老舎研究会年会を開催しました。

1.神戸宏明「北京の物乞い藝〈数来宝〉」
〈数来宝〉とは竹板、牛髀骨、割った茶碗などを打楽器として使い、
店舗の前で詩を歌って、店主から金銭をもらうという乞食芸です。
発表では映像を交えつつ、〈数来宝〉の作り方などが紹介されました。
質疑応答の際に、森川会員が〈数来宝〉の触りを披露してくださり、
大いに盛り上がりました。

2.関登美子 「父ー甲骨学者 欧陽可亮についてなど」
関氏の御尊父である欧陽可亮氏は欧陽詢(557~641中国の唐初の書家)の
直系44代目の子孫で、甲骨文字の書家、研究者であり、中日辞典の編纂に
携わるなど日中文化交流に尽力された方です。当日は御尊父の思い出話のほか、
欧陽可亮氏の書もご持参いただきました。

3.倉橋幸彦 「書誌貫徹」
倉橋会長のライフワークともいえる老舎の書誌作成。
資料もかなり集まったので、まとめたいという抱負を語っておられました。

4.石井康一 「『四世同堂』についてーテレビドラマと話劇をめぐってー」
『四世同堂』は3部からなる老舎の長編小説。発表では1985年に製作された
テレビドラマ版と2009年のリメイク版についての内容比較のほか、
2010年田沁鑫脚本・演出の中国国家話劇院による『四世同堂』についての
紹介もありました。

2011年度年会報告

2011年9月3日(土)大阪産業大学梅田サテライト教室において、
2011年度老舎研究会年会を開催しました。
当初のプログラムは、
研究報告:
1.瀬戸宏  「老舎《茶館》と満族意識」
2.倉橋幸彦 「『老舎研究会会報』25号発行を記念して」
特別講演:
舒乙 「老舎的人文精神」
となっておりましたが、折からの台風で2日の北京からのフライトが
キャンセルとなってしまい、舒乙先生がお出でになれませんでした。
(3日夜に到着され、翌日の大阪産業大学孔子学院の講演会は無事開催。)

瀬戸会員の発表は、満族作家としての老舎という視点から《茶館》を再検討し、
発表後はフロアーとの活発なやりとりがありました。
特別講演の穴を埋めるべく、倉橋会長が研究報告とは別に
「老舎・舒乙・藤井栄三郎ー老舎とノーベル文学賞をめぐってー」というテーマで
老舎がノーベル文学賞候補者であったことをいくつかの資料から検証されました。

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